のどが詰まるような首こりはうつのサインかも。ストレスで起こる梅核気とは
首こりがうつ、ストレス、自律神経失調などから起きることがあるというのをご存知でしょうか?
肩こりの中でも首がこるという人も多くいらっしゃいますよね。
ストレートネックなんです。デスクワークでずっと座っているので。とおっしゃられる方も多いです。
ただ、整骨院やマッサージに行って揉んだり、ストレッチで伸ばしてもなかなか治らない場合は、もしかするとその首のコリは精神的ストレスによるものかもしれません。
そこで今回は、うつやストレスなどで頑固な首こりが発生しやすい理由についてお伝えできればと思います。
いつも首がこり、とくに“詰まったような感覚”に悩まされている方がいれば、ぜひ最後までご覧ください。
ストレスが原因で起こる首こりとは?
まずはじめに、あなたの首こりの症状で当てはまるものはありますか?
首こり症状チェックリスト
・いつも首がこっていて頭がスッキリしない。
・風邪を引いたわけでもないのにのどに何かが引っかかっているような気がする。
・緊張したり、気が張る状況の時に悪化しやすい。
・休みの日やリラックスしているときには不快感を感じない。
・首の両サイドを圧迫され詰まっているような感覚になる。
・カラ咳、痰が絡んだような状態が常にある。
2つ以上当てはまるようであれば、あなたの首こりは精神的なストレスが深く関係している可能性が高いと思われます。
このような状態のことを内科的には咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)と呼ばれ、精神科ではヒステリー球、漢方や東洋医学では梅核気(ばいかくき)と呼ばれます。
上記のチェック項目に当てはまる数が多ければ多いほど梅核気の可能性が高まると思われます。
咽喉頭異常感症(梅核気)とは?
咽喉頭異常感症(梅核気)とは、『のどから食道にかけて詰まったような違和感や圧迫されたような不快感などの異常を覚えるものの、病院で検査をしても具体的な病気がみつからない状態のこと』を指します。
梅核気(ヒステリー球)の具体的な症状
・のどが詰まる感覚になる。
・のどに痰が絡んだような感覚がある。
・のどに何かが引っかかっているような感覚がある。
・首を絞められているような苦しさがある。
などがあります。
常に首がこり、のども詰まったような感覚に陥り苦しくなるため、のどの癌や食道がんなどを疑い病院で精密検査を受けたにも関わらず原因が特に見当たらず。
耳鼻咽喉科でも異常なしと言われ心療内科の受診を勧められ、そこでもらった安定剤を服用したところ首やのどの不快感が解消したという話を聞きます。
梅核気(ヒステリー球)になる原因は?
主に「精神的ストレス」が原因だと言われています。
緊張する場面が続く、精神的なプレッシャーにやられている、悩みや不安なことが多い、仕事が忙しくリラックスできていない、などの精神的な緊張により自律神経のバランスが乱れ、のどの詰まりなどの異常感覚が起こるとされています。
首まわりの筋肉は脳から出る神経の影響をダイレクトに受けているため、ストレスや脳の疲労感など脳の影響が大きく、ストレスにより首まわりの筋肉は緊張しやすくなります。
梅核気(ヒステリー球)を改善するには?
心療内科でカウンセリングを受けたり、精神安定剤を服用するのも首のこりやのどの違和感を解消する手段の一つです。
ただ、精神安定剤は副作用と服薬中止時の離脱症状が強く出やすいうえ、依存性の高さも近年問題となっているため、飲むとしても2週間以内に留めておいた方がいいかもしれません。
とくにベンゾジアゼピン系の薬は脳の神経伝達をブロックする働きが強く、服薬を続けるとうつの悪化や経過の悪化、将来の認知症リスクの上昇などの可能性もあるため、医師と相談の上慎重に服用していただきたいと思います。
梅核気を解消するためのツボ
東洋医学でも梅核気という言葉があるくらいなので、昔からその存在は知られています。
ここでは自分でできるセルフツボ押しをご紹介しようと思います。
内関(ないかん)
手のひら側の手首から指3本分、ひじ側に上がったところ。前腕の真ん中に2本の筋があると思うんですが、その2本の筋の間に内関(ないかん)というツボがあります。
内関(ないかん)は「内なる玄関」という意味があり、身体の内面すなわち精神の玄関だと言われています。ここは精神的ストレスのツボであり、首を緩めてくれるツボでもあります。
このツボをご自身の親指で30秒ほどマッサージしてみてください。
ちなみにこのツボは「酔い止め」のツボとしても有名であり、乗り物酔いをしやすい方も刺激しておくと効果的です。
攅竹(さんちく)
眉毛の眉頭にあります。ちょうど眉毛の付け根のところ。
ここも精神安定には欠かせないポイントです。
両方の攅竹(さんちく)をジワーッと30秒~1分ほど押さえてみてください。
太陽(たいよう)
こめかみのところに太陽(たいよう)というツボがあります。
目尻のラインと眉尻のラインが交差するあたりのちょっとへこんでいるところに取ります。
このツボを首の方向に向かって押さえてみて下さい。これも30秒~1分ほど。
太陽は繊細なところであまりグリグリと押さえていると頭痛がしたり気分が悪くなる可能性もあるため過剰な刺激はご注意ください。
他にもいろいろあるのですが、以上3か所にセルフマッサージをするだけでも、少し首やのど周りがスッキリしませんか?
もし、これで少しでもスッキリしたのであれば、なおさらその首こりや不快感は精神的なストレスが原因であることが濃厚となります。
症状がひどい場合はしっかりとしたケアを
いかがでしょうか?
セルフマッサージでも改善する程度であればまだマシだと思うのですが、首こりやのどの不快感が強い場合は一度鍼灸治療などでしっかりと身体を治すことをお勧め致します。
先ほどのツボも一つですが身体にはたくさんのツボがあり、一人ひとりの体調に合わせてツボを使い分けていきます。
ご自身でツボ押しやお灸などをしてもうまく効果が出ないのは、ツボの正確さが不十分だからこそ。
ツボは数㎜ズレるだけでも効果が半減しますし、使うツボも人それぞれ。
やはりしっかり治そうと思うと専門的にされている方を頼るのが賢明かと思います。
もし、ご自身の首こりが慢性的で頑固なのであれば一度ストレスの状況などを含め診せてもらいたいなと思っています。
ご自身ではそんなはずないと思っている方も多いですが、“隠れうつ”の方はかなり多いです。
本格的なうつ病に進行してしまう前に、身体からのサインを見逃さず、きっちりケアしていきたいですね。
お問い合わせは、お問合せフォームよりしてみてください。ご相談だけでも構いません。
ご連絡お待ちしております。
それでは。
鍼灸治療院HARINO 米増圭司
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