中学生に起こりやすい頭痛や肩こりの原因について
ご自身のお子さまが頭痛や肩こりで悩んでいませんか?
小学校くらいまでは大丈夫だったけれど、中学に入ってから頭痛や肩こりが多くなったり、高校に進学しても頭痛は収まらず、ずっとつらい思いをしている子たちも多いんですよね。
実は最近、学生さんでも頭痛や肩こりを訴える子たちが多くなっています。
ちょっと頭が痛いとか少し肩が凝った…程度であれば問題無いかもしれませんが、ひどい子だと頭痛薬を常用していたり、寝込むほどつらくなったり、頭痛で動けなくなる子たちもいるので心配ですよね。
僕が小さい頃は、頭痛や肩こりで悩んでいる子はいたのかもしれませんが、今よりも少なかったと思います。
では、なぜ今の子どもたちに頭痛や肩こりが起こりやすいのか。
今回は、その原因についてお伝えできればと思います。
ご自身の子どもさんにこのようなことが当てはまらないかチェックしながら読んでいただけると嬉しいです。
中学生に多い頭痛の原因
中学生という時期は非常に難しいデリケートな時期ですよね。
小学校時代から環境が一変して激変する時期となります。
そんな中で起こる頭痛や肩こりの原因としては以下のようなものがあります。
荷物の量がかなり重たくなる
中学に入ると小学校時代と比べて、荷物が大幅に多くなり、毎日重たいリュックを背負って登校することになります。
最近の中学生のリュックの重さは平均10kgほどになるそうです。
毎日10kgもの荷物を背負って歩くとなると相当な身体への負担ですよね。
しかも中学生とはいえ身体は子どもです。筋肉や骨格もしっかりしていません。
そんな未熟な身体で大人でも重い荷物を背負うため肩や首にかなりの負担が掛かり肩こりの原因となります。
環境の変化に対応できない
中学生になると、はじめて制服を着たり、他校の子たちと一緒になったり、先輩後輩関係が出来たり、定期テストがあったりと、今までとは全く違う環境となり、本格的に『学生』としてのスタートを切ることとなります。
先生は教科ごとに違いますし、他校の子たちともクラスメートとなり関係もうまく築いていかなければなりません。
そして初めて部活動にも参加する子も多いと思います。
今までやったことも無い経験に加え、厳しい先輩や怖い先輩にも揉まれることとなります。
大人である私たちに置き換えて想像してみてほしいのですが、この環境の激変ぶりは非常にストレスが掛かる状況だと思いませんか?
新しい環境になり、仕事も変わって、新しい職場、新しい制服、新しい先輩、上司、覚えることやすることも増え、通勤も遠くなり、勤務時間も増える。
さらに会社のサークルに入ってやったこともないスポーツなどを始める。
…想像するだけでストレスが強く掛かりそうですよね。
でも中学生の子たちはそういう状況に直面しています。
しかも慣れたころにまたクラス替え、進学が待っています。
また一から関係性などを作って行かなければなりません。
そのような状態にさらされると、身体はストレスに対抗するため、常に戦闘態勢になっています。交感神経は緊張し続けるため、まったくリラックス出来ません。
その状態に身体が耐えられなくなると頭痛や肩こり、食欲不振などの症状が出てきますし、さらに悪化してしまうと学校に行けなくなってしまう子もおられると思います。
不登校になってしまっているという子も多く聞きます。
本当に、中学生は大人が想像する以上に狭いコミュニティーの中で闘っています。
身体も大きく変化する時期
中学から高校までの3年間で子どもたちの身体は大きく変化します。生理が始まったり、身体が大人の女性へと変化し始める時ですよね。
男の子も背が高くなったり、声が低くなったり、身体の内面も大きく変わる時期となります。
頭痛や肩こりで悩む子の多くは女の子です。
女性の場合、女性ホルモンの乱れが偏頭痛につながるということがわかっています。
生理前になると頭痛がする…という大人の方も多いと思いますが、女性ホルモンが減ると頭痛が起きやすくなるのです。
中学生の場合はまだまだ未熟な時期なため、ホルモンバランスも安定していません。
そのため、頻繁に偏頭痛に襲われたり、精神的にも不安定になりやすくなります。
睡眠の『時間』と『質』が悪くなりやすい
私たちの子ども時代と今の子たちの違いは『情報量の多さ』です。
スマホは一人一台持っていますし、InstagramやTwitterなどのSNSは自分のアカウントも何個も持っているような状況です。
時間が空けばYouTubeを見たり、友だちとLINEをしたり、私たちが子どもの頃には無かった便利なツールがたくさん、しかも無料で使えるようになりました。
いつでも友だちと繋がれますし、好きな動画を好きな時間に見ることも出来るので楽しいですよね。
ですがその分、脳は常に『フル稼働状態』です。
寝る直前までSNSをしていると脳が興奮状態のままになるので睡眠の質は低下し、朝起きても疲れが取れていないことが多くなります。
しかも最近、ほとんどの子が塾にも通っています。
夜9時や10時くらいまで塾で勉強していて、帰ったら課題や宿題が待っています。
そのため睡眠そのものの時間も減ってしまい、質の良い睡眠を取りにくい状況となってしまっています。
脳がうまく休まらないと頭痛の原因になりますし、スマホなどでの目の疲れは肩こりの原因ともなります。
まとめ
いかがでしょうか?子どもたちを取り巻く環境は大変なものですよね。
最後に今までのことをまとめます。
中学生の頭痛や肩こりに多い原因とは
・まったく新しい環境でストレスが掛かりやすい。
・荷物の量も大幅に増え、身体に掛かる負担が大きくなる。
・自分自身の身体の環境も大きく変わる時期。
・塾やスマホゲーム、SNSなどで睡眠不足。
こんな状況は大人でもつらいですよね。
最近、学生さんを診させてもらうことが増えてきました。
結構つらい状況となってしまっている子も多いですが、まだ若いので、治療効果は高く出てくれます。
数回治療するだけで頭痛も無くなり、薬も飲まなくなったと言ってくれる子もたくさんおられます。
学生の子どもさんで頭痛や肩こりで悩んでいる方は、薬やシップでごまかさずに一度身体をケアしてあげてほしいなと思います。
しっかり回復して元気に学校生活を送れるようになる可能性は大いにありますよ。
良ければお気軽にご相談してみてくださいね。
それでは。
鍼灸治療院HARINO 米増圭司