頭痛・肩こりの鍼灸治療について
頭痛とは
頭痛には様々なタイプや原因があり、全部で300種類以上もあると言われています。
頭痛のタイプは大きく分けると、原因が脳そのものにある「一次性頭痛」と他の病気などが原因になる「二次性頭痛」の2種類に分けられます。
一次性頭痛
一次性頭痛とは他に原因がはっきりしない頭痛で、慢性的な頭痛で悩むほとんどの方がこちらになります。
片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛などがあり、繰り返し何度も痛くなりやすい頭痛です。
二次性頭痛
他の疾患が原因となる頭痛です。
お酒の飲みすぎによる二日酔いの頭痛や、脳腫瘍やくも膜下出血、脳卒中などにより起こる頭痛があります。
脳腫瘍などは命の危険のある頭痛なため、早急な治療が必要になるため注意が必要です。
頭痛の種類と特徴
片頭痛(へんずつう)
「片頭痛」とは、頭の片側、もしくは両側がズキンズキンと脈打つように痛みが出るタイプの頭痛です。
月に1,2度~週に1,2回起こることが多いのが特徴です。
吐き気などを伴うことも多く、光や音に対して過敏になることもあります。
寝込むことも多い頭痛ですが、片頭痛自体に命の危険はありません。
男性よりも女性に多く、ストレスから解放された時や休日などに起きやすいとされています。
片頭痛が起こる前には「閃輝暗点(せんきあんてん)」といって目の前がチカチカする症状が現れる人もいます。
緊張性頭痛(きんちょうせいずつう)
「緊張性頭痛」とは、頭の周りや、首や肩、背中の筋肉の緊張により血流が悪くなり痛みが出るタイプの頭痛です。
慢性的な頭痛の中で最も多いのがこの緊張性頭痛となります。
緊張性頭痛の症状は、後頭部から頭全体が締め付けられるような痛みになるのが特徴的で、片頭痛のようにズキンズキンと拍動性に痛むことはあまりありません。
群発性頭痛(ぐんぱつせいずつう)
「群発性頭痛」とは、頻度は少ないものの男性に多く、一度なると耐え難い痛みが出やすいタイプの頭痛です。
群発性頭痛の症状は、片方の目がキリで刺されたようなズキズキとした鋭い痛みがあり、痛みが数時間続くこともあります。
このような頭痛が1~2ヶ月続き、ある時を境にピタッと痛みが無くなることが特徴的です。
頭痛の治療法
頭痛に対する治療法はお薬による治療と生活習慣の改善の2種類あります。
投薬治療
病院で処方される薬や、市販で購入できる薬を飲み痛みを抑える方法があります。
手軽に購入でき、服薬することで痛みが和らぐことも多いため多くの方が取り入れています。
ただし、薬の飲みすぎによって逆に頭痛が起こりやすくなる「薬物乱用性頭痛」に注意が必要であり、薬を飲むことへの抵抗感が強い方も多いのが現状です。
生活習慣の改善
睡眠環境の改善、ストレスの緩和、入浴や運動による血流の改善など、生活習慣を改善させることで頭痛が起きにくい状態を取り戻す方法です。
生活習慣の改善はすべての不調において大切なことですが、継続することの難しさとストレス解消の難しさからうまく行かないケースも多いです。
頭痛に対する鍼灸治療
頭痛には鍼灸治療も効果的とされています。
くも膜下出血など命の危険のある頭痛には適応外となりますが、片頭痛や緊張性頭痛などの頭痛には効果的です。
頭痛が起こる要因の1つに首や肩の筋肉の緊張や慢性的な血流不足があります。
日頃の強いストレスが原因となることもあります。
鍼灸で全身にあるツボを刺激することで体全体の緊張を緩め、血流を改善させることで頭痛が起こりにくい身体になる可能性が高まります。
当院は、頭痛専門治療院として片頭痛や緊張性頭痛などつらい頭痛に何年も悩まされている方が多く来院されています。
鍼灸で体を整えていくことで薬を飲む量が減ったり、頭痛が起こる回数が減る方が大勢おられます。
もしあなたが慢性的な片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛でお悩みなら、ぜひ一度お気軽にご相談頂ければと思います。
肩こりとは
「肩こり」とは首から肩、背中にかけての筋肉が緊張し、血行不良を起こすことでだるさや張り、疲労感や重さを感じる状態のことです。ひどい人だと痛みを伴うものまであります。
筋力の弱い女性に多く、不良姿勢やデスクワークなどの眼精疲労などにより起こりやすくなります。
日本人は欧米人に比べ筋力が弱いため肩こりになりやすいと言われています。
ただ肩こりは他の病気でも起きることがあるため、注意が必要なものもあります。
関節の異常
「四十肩・五十肩」など肩関節の周囲の炎症により起こります。
通常の肩こりではなく、腕を動かしたり夜寝ている時などに痛みがひどく出るなどが特徴的です。
痛みがひどい「腱板損傷」や「腱板断裂」では、腕と肩甲骨を繋ぐ腱が切れてしまっているため手術などが必要になるケースもあります。
首の骨などの異常
「頚椎症」や「頚椎ヘルニア」などが原因となるものです。
交通事故やケガなどが要因となり起こることがあります。
上を向くと手が痺れる、背中や肩に力が入らないなどの特徴があり、進行すると手のマヒや痺れが残る場合もあります。
内臓疾患の異常
脳の病気や心臓の病気などでも肩こりが起こることもあります。
「心筋梗塞」などの場合には左肩や左胸が痛み、解離性大動脈瘤など血管の病気には背中にひどい痛みが起こり命の危険もあるものになります。
他には糖尿病や肝臓の病気などでも肩こりを感じる場合があります。
肩こりの症状
肩こりの症状は首の付け根から肩や背中にかけての張りや痛みなどを感じることが多くなります。
それらの症状に加え、めまい、頭痛、耳鳴り、吐き気、倦怠感、手の痺れ、腕のだるさ、目の疲れ、集中力低下など
様々な症状が出ることもあります。
肩こりの治療
一般的な肩こりの治療には運動療法などによる血流改善やシップや局所注射などの薬物療法、そして再発予防が主に行われます。
運動療法
軽いウォーキング、肩甲骨を動かす体操、マッサージなど
温熱療法
蒸しタオル、ホットパック、入浴 など
薬物療法
シップ、筋弛緩剤、鎮痛剤、局所注射など
予防
同じ姿勢を長時間取らない。
肩や首を直接冷やさず温める。
適度な運動を定期的に行う。
冷房など肩を直接冷やさないようにする。 など
肩こりと鍼灸治療
肩こりの治療には血流改善が不可欠です。
鍼灸治療も肩こりの改善には効果的なものになります。
鍼灸で全身にあるツボを刺激することで肩や首周辺の筋肉を和らげ、血流を改善させることにより肩こりを改善していきます。
同時に肩こりを悪化させやすい身体のゆがみや内臓の疲労感、精神的なストレスなどを取り除いていくことで再発の予防を助けます。
当院には、痛みを伴う肩こりや慢性的にひどい肩こりでお悩みの方も多く来院されています。
筋肉を緩め血流を改善することで肩こりが改善し、それに伴う吐き気や頭痛などの不調も改善する可能性がありますので、もしあなたも肩こりでお悩みならお気軽に一度ご相談頂ければと思います。